新築住宅を建てるなら~福井の気候風土に合った住宅機能を考える
2023/06/11
![](https://fukui-housing-guide.com/wp/wp-content/uploads/09-1024x755.jpg)
日本は東西に細長く伸びている地形をしており、それぞれの地域で気候風土が異なります。新築住宅を建てるときは、その地の気候に合わせた機能・性能を取り入れることが大切です。特に、冬に室内外の温度差が激しい地域は、結露などの問題が起こりやすいため対策を講じる必要があります。
こちらでは、福井県で新築住宅を建てる際に気をけたいポイント、また福井県の住宅でぜひ採用したい工法やシステムについてご紹介します。
福井県はどのような気候風土?
福井県全体および福井県の北側と南側の気候風土は、以下のような特徴があります。
福井県全体の気候
福井県は北陸地方に位置し、嶺北地方と嶺南地方に分けられます。福井県全体としては雨や雪が多く、冬は日照時間が少ないのが特徴です。緯度は東京都とほぼ同じであり、平均気温は東京と2度違う程度です。
冬は季節風の影響で低温になりやすく、平野部でも大雪になることがあります。ただし、福井県は嶺北地方と嶺南地方で積雪量が大きく異なります。
嶺北地方(北側)
福井県は全体として豪雪地帯に指定されていますが、嶺北地方(特に奥越地域)はシベリア寒気団の影響でさらに雪が多くなります。同じ嶺北地方でも、沿岸部は対馬海流の影響で冬でも比較的温暖です。
嶺南地方(南側)
嶺南地方は嶺北地方とは異なり雨雲の影響を受けにくく、降雨量は少なくなります。また嶺北地方の沿岸部と同様に対馬海流の影響で温暖になりやすく、降雪量も多くありません。年間の晴天日数も嶺南地方が多い傾向です。
福井県の家づくりで重視すべきポイント
福井県で新築住宅を建てるときは、福井県の気候に合わせた性能・機能を取り入れることが重要と言えます。特に福井県の家づくりで注意したいのが、結露対策です。
福井県ではなぜ結露対策が必須なのか
福井県の気候は、気温が低くて湿度が高いという特徴があります。気温が低いと、室内の暖房により外気との寒暖差が大きくなり、結露が発生しやすくなるのです。また、福井県の湿度の高さは全国で2位というデータがあり、余計に結露が発生しやすいと言われています。
このような福井県の気候を踏まえると、新しい家を建てるときは結露対策が必須と言えるでしょう。結露対策をしっかり行わないと、建材の腐食・劣化による建物の強度の低下、断熱性能の低下などが起こります。
結露が起こる仕組み
室内で温められた空気は、水蒸気を多く含んでいるものです。この空気が冷たい外気に触れると、空気中に含まれた水蒸気が水に変わります。これが結露の仕組みです。同じ仕組みで室内の暖気が建物の壁の内側に侵入し、外気に触れると壁の中で水に変化することを「内部結露」といいます。
内部結露は壁(断熱材)の内部で水分が発生するため、腐食や劣化が起こりやすいのです。
福井の新築住宅におすすめな機能|気密性・断熱性
寒冷地では、壁や床に断熱工事を施しても、床下からの冷気によって室内の温度が下がりやすくなります。床下からの冷気をできるだけ抑えたい場合は、床断熱ではなく「基礎断熱」を取り入れるのが有効です。
一般的な床断熱
床断熱は、住宅の1階の床下に断熱材を取り付ける方法です。この方法では、通気性を良くするために床下に換気口を設けることになり、この部分から冷気が上がってくることがあります。また断熱材自体の重さによって、床と断熱材との間にスペースが生まれ、冷気が侵入してくることもあります。
基礎断熱
基礎断熱は、床下ではなく基礎のコンクリートそのものを断熱材で覆う方法です。基礎が断熱材でしっかり覆われるので床下からの冷気が伝わりにくく、室内の暖かさが保たれます。基礎断熱の場合、換気口を設ける必要もありません。
吹き抜けやリビング階段のある住宅では、空間の広さによって室内の温度が下がりやすく、室内の上部と下部で温度差が生じやすくなります。このような住宅の場合、基礎断熱を採用して床下からの冷気を防ぐのがおすすめです。
福井の新築住宅におすすめな機能|空気循環システム
福井県で家を建てる際、内部結露を防ぐ機能として「空気循環システム」の導入がおすすめです。空気循環システムを導入することで、高気密・高断熱でありながら結露が起こりにくい家を実現できます。
高気密・高断熱と結露の関係性
「夏は涼しく、冬は暖かい家」にするためには、高気密・高断熱は欠かせない要素です。しかし、高気密・高断熱であるということは、室内の空気と外気が遮断されることを意味します。つまり、同じ空気が湿気と共に室内に長く留まるため、それだけ結露が起きやすくなるのです。
そのため、高気密・高断熱の家づくりでは、結露対策として空気の循環(換気性能)を高める必要もあります。
自然エネルギー空気循環システムとは
自然エネルギー空気循環システムは、「自然エネルギー+空気循環システム」で室内の空気の流れをコントロールするシステムです。夏場は太陽光や地熱で暖まった空気を換気扇から逃がし、冬場は地熱で暖まった空気を取り入れ循環させます。室内の暖かい空気がぐるぐると循環することで、結露やカビの発生を防げるのです。
寒冷地では室内の暖かさを保つためには、気密性・断熱性の優れた住宅を建てることが大切です。また、湿度が高くなりやすい地域は、室内の空気循環も併せて考慮する必要があります。
福井県のように気温が低く、湿度が高まりやすい地域で新築住宅を建てるときは、今回ご紹介した「基礎断熱」や「空気循環システム」などを積極的に採用していきましょう。
![旭木材工業株式会社はこちら](https://fukui-housing-guide.com/wp/wp-content/uploads/banner_bottom.png)