【2024年版】注文住宅の建築に活用できる補助金
2024/06/27
新築住宅の補助金制度には、国土交通省や地方自治体が中心となって支援を行っています。
国土交通省の「子育てエコホーム支援事業」と「サステナブル建築物等先導事業」は、環境に配慮した住宅の普及と省CO2建築の推進を目的としています。地方自治体も独自の補助金制度を導入し、福井県などでは住環境の改善と地域社会の結びつきを促進しています。
補助金の利用には、高性能住宅基準をクリアすることが求められ、毎年の事業内容や条件が異なるため、最新情報の確認が不可欠です。新築住宅の取得時には、補助金制度を活用して経済的負担を軽減することが有益です。
新築住宅における補助金制度とは
新築の注文住宅を取得する際には、多くの費用がかかりますが、補助金制度を利用することで金銭的負担を軽減できます。
◇省庁が主導する補助金制度
国土交通省が主導する補助金制度には、さまざまな補助事業があります。令和6年度には「子育てエコホーム支援事業」と「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」が実施されることが決定しました。
「子育てエコホーム支援事業」は、子育て世帯がエコロジーで快適な住環境を整えるための新築住宅の取得やリフォームに対して支援を行う事業です。環境に優しく、エネルギー効率の高い住宅の普及を促進することを目的としています。
一方、「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」は、事業者向けの補助事業であり、エネルギー効率の高い建築物の普及を図るために設けられています。
サステナブル建築物等先導事業は建築物の省エネルギー性能を向上させるための技術開発や普及活動を支援するもので、持続可能な建築物の増加を目指しています。
引用元:国土交通省「子育てエコホーム支援事業」
引用元:国土交通省「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」
◇地方自治体が主導する補助金制度
地方自治体も独自の補助金制度を設けており、地域ごとにさまざまな支援が行われています。
福井県勝山市では、令和5年度に新築住宅の取得者を支援する事業を実施しました。この事業は、地域の住環境を改善し、住民の定住を促進することを目的としています。
また、同じく福井県のあわら市では、多世帯同居・近居を目的とした新築住宅取得者を支援する事業が行われました。これは、家族が近くに住むことで互いの助け合いを促進し、地域社会のつながりを強化することを目的としたものです。
引用元:福井県勝山市「令和6年度 勝山市定住化促進事業(新築・中古住宅取得)」
引用元:福井県あわら市「多世帯同居・近居促進事業補助金」
補助金制度の利用における問題
住宅取得による経済的負担を軽減できる補助金制度にはいくつかの問題点も存在します。
◇必ず受けられるとは限らない
補助金制度は、その年度によって実施される補助事業が異なるため、必ずしも毎年同じ条件で受けられるわけではありません。昨年度は実施された補助事業が今年度は実施されていない場合や、申請したい時期に補助事業がまだ調整中で実施が決定していないケースもあります。
補助金に関する情報を中小企業庁や国土交通省のウェブサイト、地方自治体の公式サイトなどを常にチェックし、最新の状況を把握することが重要です。
◇一定以上の性能基準をクリアする必要がある
補助金を受けるためには、住宅が一定以上の性能基準をクリアしている必要があります。多くの補助金制度では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や長期優良住宅の認定を受けられる高性能住宅であることが要件です。
例えば、ZEHの認証基準では、住宅が年間の一次エネルギー消費量を大幅に削減するための設計と設備を備えていることが求められます。
現行の長期優良住宅の認定基準についても同様に、高い性能が求められており、耐久性、耐震性、省エネルギー性能、バリアフリー性能など、多岐にわたる基準をクリアすることが必要です。
さまざまな補助金を受けるためには、それぞれ設けられた住宅の性能基準をクリアする必要があるため、事前に確認をしなければなりません。
2024年に申請できる新築住宅の補助金制度
2024年に新築住宅を取得する施主が受けられる補助金制度として、「子育てエコホーム支援事業」があります。環境に優しい住宅の普及と、子育て世帯の住環境改善が目的の補助金制度です。
◇子育てエコホーム支援事業とは
子育てエコホーム支援事業は、国土交通省が実施する補助金制度で、エネルギー効率が高く、環境に配慮した住宅の普及を促進するとともに、子育て世帯の住宅購入を支援することが目的です。
子育てエコホーム支援事業では、省エネルギー性能が高い住宅や、再生可能エネルギーを利用する住宅に対して、補助金が交付されます。特に、子育て世帯にとって住みやすく、安全で快適な住宅環境を提供することが重視されています。
◇要件と補助率
子育てエコホーム支援事業の補助対象となる住宅には、いくつかの要件があります。
まず、住宅が一定の省エネルギー基準を満たしていることが必要です。具体的には、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や長期優良住宅の認定を受けられる性能が求められ、高断熱・高気密の構造や高効率の設備、再生可能エネルギーの利用が含まれます。
さらに、補助金を受けるためには、申請者が子育て世帯であることも重要な要件です。子育て世帯とは、18歳未満の子供がいる家庭を指し、この条件を満たすことで補助金を受け取るれます。
補助額については、住宅の省エネルギー性能や設置する設備の種類によって異なりますが、一定の上限額が設けられています。
ZEH基準を満たす住宅の場合、補助額は最大で80万円であり、長期優良住宅は最大100万円です。また、再生可能エネルギーの設備を導入する場合、その費用に応じて追加の補助が受けられる場合もあります。
高性能住宅なら税金も住宅ローンもお得に
高性能住宅を取得することで、税金や住宅ローンの面で多くの優遇措置を受けられます。
◇住宅ローン減税を受けられる
住宅ローン減税は、一定以上の性能を備えた住宅を取得した納税者に対して、所得税から住宅ローン残高の0.7%に相当する金額を控除する制度です。
2024年1月から、住宅ローン控除(減税)にはいくつかの変更点が導入され、控除期間が10年間から13年間に延長されることや、控除対象となる住宅の基準が引き上げられました。また、所得要件や控除額の上限も見直されており、多くの家庭がこの優遇措置を利用しやすくなっています。
引用元:国土交通省「住宅ローン減税」
◇フラット35の住宅ローン金利が優遇
高性能住宅を取得することで、フラット35の住宅ローン金利の優遇を受けることも可能です。
フラット35は、長期固定金利の住宅ローンとして知られていますが、特に長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など、一定以上の性能を備えた住宅を取得した場合には、さらに金利の引き下げが適用されます。
金利の引き下げは、最大0.75%の利率引き下げが5年間適用されるため、月々のローン返済額が大幅に減少し、総返済額も大きく削減されるため、大きな経済的なメリットが得られます。
フラット35の金利優遇措置を利用するためには、省エネルギー性能や耐震性能など住宅が一定の技術基準を満たしている必要があるため注意すべきです。
新築住宅の補助金制度についてまとめると、国土交通省や地方自治体が主導する補助金制度があります。国土交通省の「子育てエコホーム支援事業」と「サステナブル建築物等先導事業」は、エコロジーな住環境の普及や省CO2建築の推進を目指しています。
地方自治体も独自の支援策を展開し、福井県では住環境の改善や地域社会の結びつきを促進する取り組みを行っています。補助金の利用には条件があり、高性能住宅基準を満たす必要があります。
また、補助金は毎年の実施事業によって異なるため、最新情報を把握することが重要です。新築住宅の取得に際して、経済的負担を軽減するための選択肢として補助金制度を活用することが推奨されます。