改築とリフォームの違いとは?失敗しないために気を付けること
2024/03/27
改築とリフォームはいずれも家を改善する手段ですが、内容と規模に違いがあります。改築は広範囲の改修で、新築に近い変更が可能ですが、コストと工期が大きくなります。リフォームは古い部分を修復し、新しくすることで、部分的な改善から家全体の更新まで対応可能で、比較的低コストで行えますが、工事中の生活への影響を考慮する必要があります。成功の鍵は信頼できる業者選びと、コストと法規制の確認にあり、改築・リフォームともに費用効率、短期間での完了、低い税負担などのメリットが得られます。
改築とリフォームはどう異なるか?
改築とリフォームはどちらも住まいを新しくする工事ですが、厳密には異なります。こちらでは、福井県で注文住宅やリフォームをご検討中の方のために、改築とリフォームの定義とふたつの違いを解説いたします。
◇改築とは
改築の定義は建築基準法で定められていて、今ある住まいまたは住まいの一部を解体し、床面積はそのままで、位置や用途は大幅に変えずに作り直すこととされています。
壁や屋根といった住まいの一部だけでなく、間取りを変更することも含まれるため、比較的大規模の工事です。改築は自由度が高く、新築のような住まいを実現できますが、工期が長くなり費用も高額になる傾向にあります。
◇リフォームとは
建物の古くなった箇所を改修し、新しい状態に戻す工事がリフォームです。リフォームは英語で改善、改修などを意味します。
リフォームには、住まいの一部のみ新しくする部分リフォーム、家全体を新しくするフルリフォーム、建物の骨格だけを残して新しくするスケルトンリフォームがあります。また、バリアフリー化や省エネ化を目的とした改修もリフォームに含まれます。
改築やリフォーム工事の注意点
改築やリフォーム工事は費用が高く、工事が長期に渡ると近隣住民とのトラブルに発展したりする可能性もあります。こちらでは、工事をよりスムーズに進められるように、改築やリフォーム工事をする際の注意点をご紹介します。
◇住みながら工事できる?
住まいを建て直しする場合には仮住まいが必要ですが、改築やリフォームであれば住みながら工事することが可能です。住みながら工事すれば、仮住まいが不要な分、リフォームにかかる費用を安く抑えられます。また、リフォームの進捗状況を随時チェックでき、直接要望を伝えたり修正を依頼できたりするため、理想の住まいを実現しやすいのも利点です。
◇住みながら工事する際の注意点
あくまでも工事中でも住み続けられるたけであって、工事の時期や箇所によっては生活に支障をきたすこともあります。住みながら工事する際の注意点は、次の3つです。
・工事は過ごしやすい季節を選ぶ
エアコンが使えなくなる工事をする場合は、夏や冬は避けましょう。気候が安定しやすい4月や10月がリフォームに向いていると言われています。
・水回りが使えない期間を把握しておく
キッチン、トイレ、浴室などは生活に必要不可欠です。水回りが使えない期間と、その間の対処方法を事前に考えておくことが重要です。
・大きな家具や家電はあらかじめ片付ける
大きな家具や家電などは工事の妨げになる可能性があります。あらかじめ、トランクルームに預けることをおすすめします。
◇騒音やプライバシーの問題
リフォームの工事中は、騒音が原因で近隣住民とトラブルになったり、家のなかが丸見えになりプライバシーが侵害されたりすることもあります。リフォーム工事を行うことは1週間前には近隣住民に伝え、カーテンを閉めるなどの対処が必要です。
改築やリフォームを成功させるコツは?
せっかくお金をかけて改築やリフォームをしても、理想の住まいが実現できなかったり費用が高すぎたりして、後々後悔される方も少なくありません。改築やリフォームを成功させるコツは次の3つです。
◇経験豊富な業者に頼む
適切なリフォーム工事は耐震性を損なう恐れがあるため、信頼できる業者に依頼する必要があります。業者のなかには、手抜き工事をする悪徳業者がいるのも事実です。リフォームで住まいを新しくするだけでなく、住まいの安全性を確保するためには、経験豊富な業者に依頼することが重要です。
◇コストを安く抑える
工事の依頼の仕方で、コストを安く抑えることが可能です。具体的な方法としては、足場が必要な工事をまとめて依頼する、閑散期(梅雨や真夏)に依頼するなどがあります。リフォーム費用は業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し比較して、適正な価格を知ることも大切です。
◇法令を確認する
リフォームにも建築基準法が適用されます。法令を無視してリフォーム工事をすると、違法建築とみなされるため注意が必要です。違法建築は、売却が困難で融資を受けられなくなる可能性もあるため、事前に法令もしっかりと確認しておきましょう。
改築やリフォームのメリットとは?
古い建物は取り壊して建て直すか、改築やリフォームで済ませるか、という選択に悩まれる方も多くいらっしゃいます。建て替えと比較すると、改築やリフォームにはいくつものメリットが存在します。主なメリットは次の3つです。
◇費用が割安になる
建物を解体する必要がなく、必要な箇所のみ工事を行うため費用が割安です。改築やリフォームにかかる費用は、依頼する業者や設備のグレードなどによって大きく異なりますが、30~35坪で費用相場は1,000~1,800万円ほどと言われています。一方、建て替えの費用相場は30坪で約3,000万円とされており、基本的にはリフォームよりも高額です。
◇工期が短くてすむ
建て替えの工期目安は1年以上かかることもありますが、リフォームの工期目安は約3カ月です。便器の交換や壁紙の張替えといった簡単な工事であれば、数日で完了します。
◇税負担が少ない
住まいを建て替える改築は新築と見なされて、固定資産税評価額が上がる、つまり支払う固定資産税が増える可能性があります。改築やリフォームであれば、固定資産税が増えることはほとんどありません。ただし、床面積を広げると固定資産税が増える可能性があるため、税に詳しい業者に相談しながら住まいを設計することをおすすめします。
改築とリフォームは住宅を新たにするための二つの主要な方法です。改築は、既存の建物を部分的、または全面的に解体し、新しく作り直すことを意味します。これは床面積を保持しながら、構造やデザインを大幅に変更することができ、事実上新築同等の住まいを目指せるものですが、その分、時間もコストもかかる大規模な工事となります。一方、リフォームは既存の建物に手を加え、古くなった部分を修理または改善することで、住まいの機能を更新し快適性を高めます。これには部分的な改修から家全体の大掛かりな改修まで含まれ、住みながらの工事が可能であり、改築に比べて費用を抑えやすいのが特徴です。
改築やリフォームを成功させるには、信頼できる業者の選定、予算の管理、関連する法規制の確認が欠かせません。また、工事中の生活への影響を最小限に抑えるため、季節の選定や仮住まいの必要性、近隣への配慮なども重要な検討事項です。これらの工事には、割安な費用、短い工期、少ない税負担などのメリットがあり、住宅価値の向上にも繋がります。