注文住宅に太陽光発電を低コストで設置するには?
2024/07/29
近年、太陽光発電の設置費用は減少し、2012年の200万円以上から2022年には約100万円に下がりました。「0円ソーラー」では初期費用が事業者負担ですが、契約中の解約で高額な費用が発生する場合があります。太陽光発電の導入により、光熱費の節約と余剰電力の売電収入が得られ、ZEH住宅や補助金でさらにコスト軽減が期待できます。
近年の太陽光発電は低コストで設置できる?
太陽光発電の設置費用は年々減少しており、2012年の200万円以上から2022年には約100万円にまで下がりました。補助金を利用すれば、さらにコストを抑えることができます。また、「0円ソーラー」は初期費用が無料で設置でき、契約期間終了後に設備が無償で譲渡されます。
◇太陽光発電が年々安くなっている
太陽光発電の設置費用が年々減少している一方で、売電価格も低下しています。例えば、4.5kWの住宅用太陽光発電システムは、2012年には200万円以上でしたが、2022年には約100万円で設置できるようになりました。
固定価格買取制度が導入された2012年には46.5万円/kWだった価格が、2023年には28.4万円/kWまで下がっています。これにより、より手頃な価格での導入が可能です。
さらに、地方自治体の補助金を利用することで、設置コストをさらに抑えることができますので、お住まいの地域での補助制度の情報を確認することをお勧めします。
◇0円で設置できる「0円ソーラー」とは
「0円ソーラー」とは、初期費用を支払わずに太陽光発電を設置できるサービスです。このプランでは、事業者が設備の購入と設置にかかる全ての初期費用を負担します。
設置後は、一定期間の間、使用した電力の料金またはリース料を支払う必要がありますが、その期間が終了すると設備が無償で所有者に譲渡され、以降は発電された電力を自由に利用できます。
また、契約期間中のメンテナンスも事業者が担当するため、所有者は追加の手間をかけることなく利用できるのも利点です。
太陽光発電を設置するときの注意点
「0円ソーラー」は初期費用を事業者が負担しますが、契約期間中に解約すると高額な費用が発生します。契約終了後にパネルは無償で譲渡されますが、メンテナンス費用や保証内容も確認が必要です。一方、自己保有の場合は、設置費用が高額でまとまった資金が必要です。
◇0円ソーラーは自分が所有できない
0円ソーラーとは、太陽光発電システムの初期費用を事業者が全額負担するサービスです。通常、太陽光パネルの設置には100万円以上かかりますが、このプランでは無料で設置できます。
しかし、0円ソーラーは一般的に10~15年の契約が必要で、契約期間中に解約すると高額な費用が発生することがあります。契約終了後に太陽光パネルが無償で譲渡されますが、途中解約時には残りの契約費用を一括で支払わなければならないので注意が必要です。
また、契約終了後にはメンテナンスや保証の費用が発生することもありますが、メーカー保証や出力保証がこれを上回る期間設定されている場合も多いので、保証内容を確認することが大切です。
◇自己保有にはまとまった資金が必要
太陽光発電の設置費用は、人気メーカー10社の平均で121万円、システム全体のコストは26.1万円/kWです。例えば、5kWのパネルを設置する場合、年間のメンテナンス費は1.5万円が必要です。また、太陽光発電と蓄電池をセットで設置する場合、費用は約250万円で、蓄電池の相場は1kWhあたり12.5〜16.5万円です。
たとえ価格が安くなっても、設置には85万円~145万円程度の資金が必要で、パネル容量が増えるほどコストがかかります。
太陽光発電を手間なく低コストで設置する方法
政府は2030年までにCO2排出量を46%削減する目標を掲げ、ZEH住宅を推進しています。ZEHは、自家発電で消費エネルギー量をゼロにする住宅で、環境保護に貢献します。また、太陽光発電の導入には補助金制度があり、最大60万5000円の支援が受けられます。
◇ZEH住宅を検討
政府は2030年までにCO2排出量を46%削減する目標を掲げており、この目標達成に向けて家庭のCO2排出を減らす住宅の推進に力を入れています。
ZEH(ゼッチ)、つまり「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」とは、家庭が年間で消費するエネルギー量と、自家発電で生成するエネルギー量がほぼ等しくなるように設計された住宅です。
これは太陽光などの自然エネルギーを利用して、住宅の一次エネルギー消費をゼロにすることを目指します。
ZEH住宅はCO2排出量を削減し、環境保護に貢献するとともに、エネルギー自給を目指す持続可能な住宅モデルとして日本国内で推進されており、将来的には住宅市場の主流となる可能性が高いと考えられています。
◇太陽光発電導入に関する補助金を活用する
ZEHの普及を支援するために、補助金制度が設けられています。この制度は、エネルギー効率の高い住宅の建設やリフォームを行う個人や企業に対して財政的な支援を提供します。
例えば、福井県では、太陽光発電設備および蓄電池設備のセット導入、または太陽光発電設備単独の導入に対して、最大60万5000円の補助金を支給しています。
補助金の支給にはいくつかの要件があり、詳細は自治体や年度によって異なるため、申請前に最新の情報を確認することが重要です。
太陽光発電の設置でランニングコストを軽減
太陽光パネルを使った自家発電で、電力会社からの購入量が減り、長期的に光熱費を節約できます。初期費用はかかりますが、時間とともに節約が上回ります。また、余剰電力を電力会社に売ることで収入も得られます。
◇光熱費が削減できる
太陽光パネルを使って自家発電を行うことで、発電した電力を家庭で直接利用できるため、電力会社からの電力購入量が減ります。これにより、長期的に光熱費を節約することが可能です。
太陽光発電の設置には初期費用がかかりますが、時間が経つにつれてその費用を上回る節約が期待できるため、長期的に見ると大きなメリットがあります。
◇発電量により、売電収入が得られる
売電収入とは、太陽光発電によって生成された余剰電力を電力会社に売ることで得られる収入です。電気は保存が難しいため、昼間に発電した電力を夜間に使うことは通常できません。そのため、自家消費後に余った電力は電力会社が買い取ります。
この買取りは「FIT制度(固定価格買取制度)」に基づいて行われ、住宅用太陽光発電(容量10kW未満)の場合、2023年度の買取価格は1kWhあたり16円で、この価格での買取りは設置後10年間保証されています。
近年、太陽光発電の設置費用は年々減少しており、2012年の200万円以上から2022年には約100万円にまで下がりました。また、固定価格買取制度の導入により、売電価格も2023年には28.4万円/kWまで低下しています。これにより、設置コストがより手頃になり、補助金を利用すればさらにコストを抑えられます。
「0円ソーラー」では、初期費用が事業者負担で設置でき、契約期間終了後に設備が無償譲渡されます。ただし、契約中に解約すると高額な費用が発生し、メンテナンスや保証内容も確認が必要です。自己保有の場合は、設置費用が高額でまとまった資金が必要です。
太陽光発電を導入すると、電力会社からの電力購入量が減少し、長期的な光熱費の節約が可能です。発電した電力の余剰分は電力会社に売電でき、2023年度の買取価格は1kWhあたり16円で10年間保証されています。さらに、ZEH住宅や補助金制度を活用することで、より低コストでの設置とランニングコストの軽減が期待できます。