福井県で吹き抜けの注文住宅を建てるなら寒さ対策を万全にしよう
2024/02/20
吹き抜けのある注文住宅は、開放的で光溢れる空間を提供し、家族のコミュニケーションを促進するなど多くのメリットがありますが、福井県のような寒冷地での導入には様々な検討が必要です。寒さ対策として、断熱材の適切な選定や冷気防止のためのロールスクリーン、室内の空気循環を助けるシーリングファンやサーキュレーター、そして加湿器の設置が推奨されます。
また、吹き抜けの設置費用は、設計や材料、機能によって50万円から250万円の範囲で大きく変わり、費用を抑えるためには範囲の適切な設定や窓のサイズを控えめにする、照明器具の選定におけるコスト意識などが重要です。冷暖房効率の問題やメンテナンスの手間、そして費用とのバランスを考慮して計画しましょう。
吹き抜けの注文住宅のメリットとデメリット
近年、吹き抜けのある住宅が人気を高めています。吹き抜けは開放感のある空間を実現できるなどメリットも多いのですが、気になるのが福井県のような寒さの厳しい雪国での寒さ対策と費用です。費用はどのくらいかかるのかだけでなく、メリット・デメリットを理解した上で決めるとよいでしょう。
◇日光と開放感で家族が繋がりやすい
吹き抜けを取り入れる最大のメリットは開放感です。2・3階の天井がないため、開放感が生まれます。開放感のある空間は、リラックス効果が高いため家族や仲間と一緒にまったり過ごしたり、コミュニケーションも取りやすかったりするのも魅力です。
また、吹き抜けは屋内に日の光を取り入れやすいため、家中を明るくできます。家まわりの環境によっては日の光が入りづらい場合でも、吹き抜けの2階部分から光を取り込めるのもメリットのひとつです。紫外線による日焼けなど人体への悪影響が気になる方は、UV効果のある窓ガラスを選んで防止する方法もあります。
◇温度調節とメンテナンスが難しく音と匂いが広がりやすい
吹き抜けは開放感があり、快適に過ごしやすいですがメリットばかりではありません。吹き抜けのデメリットは、冷暖房が効きづらいことです。
科学的にも暖かい空気は上、冷たい空気は下に溜まるとされており、吹き抜けの場合は1階部分に冷たい空気が溜まってしまい、リビングが寒くなってしまう可能性があります。そのため、床暖房を導入したりするなどの寒さ対策が必要です。
また、吹き抜けは音や臭いが上階へ広がりやすいため、吸音材や換気扇などの対策も必須となるでしょう。さらに、吹き抜けの場合、手軽に掃除や照明の電球交換ができません。専門業者へ依頼しなければならない場合がほとんどなため、メンテナンスの手間やコストがかかるのも吹き抜けのデメリットといえます。
注文住宅の吹き抜けの費用相場
吹き抜けの注文住宅を聞くと「費用がかかるのでは?」と思われる方も多いかもしれません。費用は住宅規模やハウスメーカーなどにもよるため、参考程度に知っておくといざというときに安心です。
◇50万円から250万円が相場
吹き抜けの費用相場は大体50万円〜250万円前後が相場とされています。200万円の差がある理由としては、吹き抜けの大きさによって変動するためです。2階・3階の床がない分施工費が安いのでは、と思う方もいるかもしれません。しかし、天井が高くなる分、足場の設置や安全対策が必要になるため、施工費が増加することがあります。
ただし、ハウスメーカーなどによっては足場有無が料金に影響しない場合もあるため、依頼するメーカーに相談してみましょう。
◇吹き抜けの注文住宅の費用を抑えるコツ
吹き抜けの費用を少しでも抑える方法は3つあります。
吹き抜けの範囲を広げない
吹き抜けの範囲を広げる場合、2階の部屋の面積や個数が減りますが、部屋にそれなりの広さや個数が欲しいとなると家自体の面積を広げる必要があります。その分費用もかかるため、必要以上に広げないよう注意が必要です。
大きな窓にしない
吹き抜けの窓を大きくすると、日の光をたくさん取り込めて家中を明るく保てるメリットがあります。しかし、窓を大きくするとその分費用もかかってしまうため、費用を少しでも抑えたい場合は窓のサイズを大きくし過ぎないようにしましょう。
照明器具にこだわりすぎない
吹き抜けに付けるのであれば妥協せず、おしゃれな照明器具にしたい方も多いかもしれません。しかし、窓と同様に予算オーバーであれば照明器具のグレードを落として費用を抑えるのもひとつの手です。
福井県で吹き抜けの注文住宅を建てる時に注意すべきこと
福井県の冬は厳しい寒さが続くため、福井で吹き抜けのある注文住宅を建てるか悩まれる方もいるかもしれません。対策方法などを知った上で、吹き抜けを検討してみるのもマイホーム実現への一歩につながります。
◇福井県は冬場は寒い
福井県は本州のほぼ中央にある県で、冬は日照時間がほぼない豪雪地帯です。降水量が多く、福井の中でも嶺北地方は特に気温が低いのも特徴です。そのため、吹き抜けをつくる際は寒さ対策を徹底しなければなりません。寒さ対策はいくつか方法があるため、対策を徹底すれば雪国でも安心して吹き抜けのある家をつくれます。
◇吹き抜けの注文住宅の寒さ対策
吹き抜けのある家の寒さ対策の方法は次の4つです。
ロールスクリーンを設置する
冬は窓によって外の冷気が家の中に侵入してしまいますが、吹き抜けにある窓はカーテンレールが設置できない場合が多いため、ロールスクリーンが最適です。断熱効果が高い材質のロールスクリーンを設置することで冷気が侵入するのを防げます。
シーリングファンを設置する
吹き抜けがある場合、どうしても冷気が1階に溜まってしまい、暖房を付けてもなかなか部屋が暖かくならないケースも見られます。このような場合は、天井にシーリングファンを設置する方法も有効です。シーリングファンが室内の空気を撹拌するため、暖かい空気を循環させられます。
サーキュレーターを設置する
シーリングファンの設置が難しい場合は、サーキュレーターで代用できます。シーリングファンと比較すると循環効率は低下しますが、自分で簡単に導入できる手軽は方法です。
加湿器を設置する
エアコンやファンヒーターを付けている場合、空気が乾燥してしまうケースがあります。空気が乾燥してしまうとウイルス感染や肌・喉の乾燥など悪影響です。また、湿度を保つだけで体感温度が上昇するため、暖かく感じるようになります。吹き抜けの上階に加湿器を設置すると、空気の循環を利用して空間全体へ水分が行き届きやすくなるでしょう。
吹き抜けのある注文住宅は、その明るく開放的な空間で人気を集めていますが、福井県のような寒冷地での採用には、慎重な検討が必要です。吹き抜けは家族間のコミュニケーションを促し、豊かな自然光が室内を明るく保つという魅力的なメリットがある一方で、冷暖房効率の低下や高い建設・維持費用、音や匂いの伝播といったデメリットも考慮する必要があります。特に、寒さが厳しい地域では、適切な断熱材の選定、冷気の侵入を防ぐロールスクリーンの設置、暖かい空気の循環を助けるシーリングファンやサーキュレーターの利用、空気の乾燥を防ぐ加湿器の配置など、冬期の快適性を保つための対策が不可欠です。 費用面では、吹き抜けの導入による相場は50万円から250万円と幅広く、設計の複雑さや使用する材料、設置する機能によって大きく変動します。費用を抑えるためには、吹き抜けの範囲を適切に設定し、必要以上に大きな窓を設けない、照明器具に高価なものを選ばないなどの工夫が求められます。