木材と断熱の関係性は?断熱性の優れた木造住宅を建てるメリットまで解説
2023/07/31
「木造住宅って断熱性高いの?」
「木材の断熱性能について詳しく知りたい!」
日本ではお馴染みの木造住宅ですが、木材と断熱の関係性をご存知でしょうか?木材には、熱を吸収しない性質があります。
他にも木材と断熱は密接に関係しており、うまく活用することで快適かつ安全性の高い住まいを建てることができます。しかし、逆を言えば木材と断熱の関係性を知らないと、高いお金をかけたにもかかわらず、暮らしにくい住まいになってしまうこともあります。
そのため、住宅をこれから建てるなら木材と断熱の関係性や仕組みを知っておくことが大切です。
そこで本記事では、木材と断熱の関係性を詳しく解説します。あわせて、断熱性が高い注文住宅を建てる際におすすめの工務店3選も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
断熱性にも優れた木材の特性を解説
木材は、その成長環境や取扱い方によりさまざまな特性を持っています。木にはセルロースとヘミセルロースといった成分が含まれており、この成分の中には水分子を引き寄せる部分があります。
この部分が、湿度が高まると水分を吸収し膨張、乾燥させると木材が収縮するという特性をもっています。そのため、日本のように夏は湿度が高く、冬は乾燥する地域では木材を利用した建築が適しています。
木材の熱伝導率は非常に低く、一般的にいって鉄の約500分の1です。この低い熱伝導率は、木材が高い断熱性能を持つ理由のひとつで、それは木材の内部構造とその中に含まれている空気に起因します。
木材は、細胞の集合体であり、これらの細胞は熱伝導に効果的なバリアとして機能します。特に、木材細胞の内部には空気が閉じ込められており、この空気が熱の伝達を抑制します。空気は非常に低い伝導率を持つため、これが木材の熱伝導性を大幅に低下させます。
さらに、杉の木の1㎤あたりには40,000個から300,000個もの細胞が存在しており、このような高密度の細胞構造は木材が高い断熱性能に優れていることを表しています。また、鉄やコンクリートは年数と共に劣化していきますが、木材は年数が経つにつれて乾燥するため強度が増していく特性も持っています。
さらに、着火しても表面が炭化のみで内部まで燃えることはないため、燃え尽きません。このように、木材はさまざまな特性をもっていることで、断熱性と強度が優れた建材として日本の建築ではよく使用されています。
木材の優れた断熱性能が温かみを生む
木材は温かみがあるといわれますが、それは見た目だけではありません。断熱性が優れている木材はコンクリートや金属と異なり、温度変化があまりありません。それにはいくつかの理由があります。木材の表面は一見滑らかに見えますが、微細な凸凹があり、内部には空隙が存在します。この凸凹があることで熱に触れる範囲が小さく、木材が熱を吸収しづらくなっています。
また、木材の断熱性が優れているのには、素材のかさ比重と空気の熱伝導率も大きく関係しています。水の比重が1と定義されており、乾燥した状態の木材は0.3~1.0となっており、水の上に浮かぶ性質を持っています。木材は比重が小さいため、コンクリートや金属と比較すると大幅に軽量です。
一方のコンクリートや金属は、木材の比重の8倍から26倍の重さになります。つまり、木材と異なりコンクリートや金属は、間隙なく詰まっているため熱が伝わりやすくなっています。木材は、間隙があることから空気層が多く、熱が伝わりやすくなっていることになります。
しかし、何故木材の比重が0.3から1.0と幅が広いのかというと、木材は種類や成長環境によって比重が異なるためです。日本の木材の中で最も比重が小さいのはキリ(桐)で、その比重は0.29とされています。一方で比重が大きい木材としては、ケヤキ(0.62)やアカガシ(0.92)などが挙げられます。
つまり、木材の種類やその比重は、木材の用途や機能を大きく左右します。軽さや断熱性を求める場合はキリやスギ、ヒノキなどが適している一方、重量感や堅牢性が求められる場合にはケヤキやアカガシなどが適しています。
断熱性の優れた木造住宅を建てる4つのメリット
画像出典:フォトAC
ここからは、断熱性の優れた木造住宅を建てるメリットを、4つにまとめて解説します。
- 耐火性に優れる
- 自由なデザインで設計できる
- 調湿性・通気性に長ける
- 建設費用をおさえられる
耐火性に優れる
耐火性に長けるのは、断熱性に優れた木造住宅を建てるポイントの1つです。木が燃えやすいのは確かであるものの、長く太い住宅建材であれば熱伝導率が低いため、内部まで火が入るのに時間がかかります。
つまり、住宅建材の表面が炭化するのみで、内部は燃えづらく建物の強度は保てるのです。一方、鉄は燃えないが熱伝導率が高く、一気に温度が上がるため、建物が崩れやすくなります。
木造住宅なら、火に長時間耐えられるため家の形を維持できるといったメリットがあるのです。
自由なデザインで設計できる
自由なデザインで設計できることも、断熱性に優れた木造住宅を建てるポイントの1つです。木造住宅は外壁のみならず、さまざまな工法があるため間取りの自由度も高いといった特徴があります。
木造住宅は従来の柱と梁に加えて筋交いで強度を高めるだけでなく、間取りを優先した場合でも壁も用いて面で耐震性を上げることもできるのです。
ただし、鉄筋コンクリートを用いると、枠にコンクリートを流し込み壁を作るため、外壁は選べません。外壁や間取りを自由なデザインにしたいなら、木造住宅がおすすめです。
調湿性・通気性に長ける
調湿性・通気性に長ける点も、断熱性に優れた木造住宅を建てるポイントの1つです。調湿性・通気性に長ける木材は、湿度の高い日本の気候に適しています。
木材は湿度が高いと吸湿し、乾燥時には水分を放出するといった調湿作用があるうえに、鉄やコンクリートに比べて通気性が高い特徴があるのです。
調湿性・通気性が高いと、カビや結露が発生しづらくなり、建物の強度を保てます。季節で湿度や温度が変わりやすい日本の気候には、木造住宅がおすすめです。
建設費用をおさえられる
建設費用をおさえられることも、断熱性に優れた木造住宅を建てるポイントの1つです。建設費用の約8割は、材料費が占めます。鉄骨や鉄筋コンクリートと比べると、木造住宅の材料である木材は安いのです。
また、鉄骨や鉄筋コンクリートは重いため、基礎工事を頑丈に行わなければなりません。木造住宅なら、軽いため基礎への負担がかからない点も、建設費用が安い一因になります。
断熱性が高い注文住宅を建てる際におすすめする工務店3選
断熱性が高い注文住宅を建てる際におすすめする工務店を、3つ紹介します。
- 旭木材工業株式会社
- ノークホームズ株式会社
- 株式会社伊藤工務店
それぞれの会社について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
旭木材工業株式会社
出典:旭木材工業株式会社
項目 | 詳細 |
会社名 | 旭木材工業株式会社 |
所在地 | 福井県三方上中郡若狭町鳥浜40−13−7 |
設立年 | 昭和23年 |
対応エリア | 若狭町・美浜町・敦賀市・小浜市 |
公式サイト | https://asahi-mokuzai.com/ |
旭木材工業株式会社は、敦賀、美浜、若狭、小浜エリアを中心に活動している地域密着型の施工会社です。昭和21年から製材所を運営し、厳格な管理の元で家づくりの木材を提供していました。
70年以上の長い歴史で培った知識とこだわりを元に、木が持つ特性を最大限に活かした家づくりをしています。また、断熱性能を向上させるために基礎断熱工法(タイル・モールド)を採用。
屋根や壁には吹付発泡剤による断熱工事を行なって気密性能を高めています。さらに、完全自由設計のため、間取りや設備に加えて建材を自分で決めることが可能です。
福井で機能にこだわりをもち注文住宅を建てるなら、旭木材工業株式会社を検討しましょう。
なお、下の記事では旭木材工業株式会社の口コミ・評判を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
口コミ
「こういう部屋にしたい」というイメージもすでにあったので
一つ一つ希望に沿った材料を使っていただき、理想の部屋にできてすごく満足しています。
何より冬でもすごく暖かくて、リビングのエアコンひとつで
ほとんどまかなえていることにびっくりしています。
引用:旭木材工業株式会社
施工事例
出典:旭木材工業株式会社
家事の動線にこだわりを持つ家です。
家事をしながら子どもの面倒を見れる間取りにするために、何度も打合せをしたそうです。また、リビングは木の温もりを感じられます。
ノークホームズ株式会社
出典:ノークホームズ株式会社
項目 | 詳細 |
会社名 | ノークホームズ株式会社 |
所在地 | 福井県福井市御幸2-18-18 |
設立年 | 2013年 |
公式サイト | https://norq.co.jp/ |
ノークホームズ株式会社は、住まいの安全性を確保することにこだわりを持っている工務店です。住まいには構造計算を行い、柱の位置や寸法を確かめることで安心安全の住まいを実現しています。
また、断熱性を考慮していることも特徴のひとつ。断熱性・高気密を実現しながらも、窓から熱が逃げないようにサッシとガラスを高性能なものを採用するため、大きな窓を設置できます。
興味のある方は一度相談してみましょう。
口コミ
住みやすい、快適です(笑)不満とかいまのところないです。家の中の温度差がほぼないのでストレスなく過ごせています
引用:ノークホームズ株式会社
施工事例
出典:ノークホームズ株式会社
リビングにこだわりを持つ家です。
開放的な吹き抜けを採用し、子どもが遊べる小上がりも設置し、家族が集まるリビングを実現しています。
株式会社伊藤工務店
出典:株式会社伊藤工務店
項目 | 詳細 |
会社名 | 株式会社伊藤工務店 |
所在地 | 福井県坂井市坂井町下新庄1-30 |
設立年 | 昭和54年 |
公式サイト | https://www.kkitoh.jp/ |
株式会社伊藤工務店は、優れた断熱性を備えながら長期的に安心な家を建てる工務店です。40年以上の歴史を誇り、長年で培ったノウハウをもとに夏は涼しくて冬は温かいといった年中快適な空間を実現します。
また、エアサイクル工法(外断熱通気工法)を取り入れていることも特徴のひとつ。エアサイクル工法は、高い断熱性能を誇るだけでなく、結露なども抑制できます。
暮らす人の健康を考えた住まいを建てることが可能です。興味のある方は一度相談してみましょう。
口コミ
冬はとても暖かく過ごせました。エアコン1台で暑いくらいなので、大変満足してます。
家で過ごす時間が快適で楽しくなりました。ありがとうございました。
引用:株式会社伊藤工務店
施工事例
出典:株式会社伊藤工務店
リビングの明るさにこだわった家です。
高断熱・高気密を実現しつつ、リビングに大きな窓を設置し日が差し込むようにしています。明るいリビングに家族が集まりやすくしているのです。
木材は特有の特性を持っており、湿度が高まると水分を吸収し膨張し、乾燥すると収縮します。また、熱を吸収しにくい性質も持っています。これらの特性が木造住宅に断熱性、耐火性、調湿性、そして通気性をもたらしています。
これらの特性は木造住宅の大きなメリットで、これから自宅を建てる人々にとって、押さえておきたいポイントです。
しかし、もちろん全てがメリットだけというわけではありません。木造住宅は耐震性や防音性が低く、シロアリのような害虫に対するリスクもあります。
それでも、その断熱性からくる温かみは木造住宅の魅力で、これから家づくりを始める方は、メリットとデメリットを理解した上で計画を進めることが大切です。